私が小学校1,2年ぐらい幼い頃の記憶で、蚊に関する強烈な思い出があります。
それは、私が祖父(おじいちゃん)の膝の上に座っていた時の出来事でした。
昭和生まれの私が住んでいた家屋は、雨が降るとオタマジャクシが出現してカエルが鳴くような、夜になるとホタルが光る、そんな自然が残った田舎でした。
暑い時期でした。雨戸を開けて夕涼みをしていたら蚊に刺されました。
私の足に蚊が止まっていたら、おじいちゃんがパチンッ!と叩いて退治したのです。
夏なら、なんてことない何気ない風景ですよね、ところがその後ですよビックリしたのは。
おじいちゃんは、まるでハナクソをほじった後のように叩いた蚊を指先でくるくる丸めてポイッ!と捨てたのです。
気持ち悪いですね、汚いですね、想像しただけでオエッ(;゚;Д ゚;)っとなりますね(笑)。
おじいちゃんの指先は蚊の黒さと、私の血液で赤黒く汚れていたのを覚えています。
子供心に「きたないなー」と思ったのを覚えています。
しかし今、「おじいちゃんは正しかったんだ」と考え直す出来事に遭遇したのです。
時は経ち2017年。
ある日、私の顔の周囲をプンプーン!と飛び回る蚊の羽音を察知した私は、音を頼りにパチーンッ!と叩いたのです。
(;´༎ຶД༎ຶ`)※蚊『グエェ!』
※と、断末魔の叫びが聞こたかどうかは伏せておきます。
私の手のひらにクッキリと蚊の脚の鱗粉がうつるほどの直撃だったことが分かります。
ひっくり返ってノビた蚊はイエカでしょう、前脚二本を残して失くなった状態で、撃退成功であるのは誰が見てもお分かりいただけるでしょう。
見事にノックアウトKO勝利を飾ることができた私はポケットからカメラを取り出して記念の写真撮影を始めました。
(;´༎ຶД༎ຶ`)『グゲゲッ モギャゲギ・・・』
パシャ!パシャパシャ!シャッターを切っていると微かにピクピク動き出す蚊。
なんと!まだ生きていたのか?
足が取れてもなお起き上がろうとする蚊に私は『(´゚д゚`)まさか!?』と驚愕したのです!!!
(;´༎ຶД༎ຶ`)『ギャヒーッ!』
※と、叫んだのかどうかは覚えていません。
なんと!蚊は、脚をほぼ失った状態にもかかわらず、ムクッ!と起き上がったのですー!!!
(´゚д゚`)『ええー!?』
※私です。間違いなく悲鳴をあげたのを覚えています。
(;´༎ຶД༎ຶ`)『グギャギャギャギャー!』
(´゚д゚`)『えー!?・・んげぇー!!!』
私はムクリ!と起き上がった蚊を見た瞬間に思ったのです!
おじいちゃんの容赦ないグリグリ・ネリネリ潰しは正しかったのだ!と。
情け無用の追い打ちをかけるような、執拗な攻撃は蚊に対して必要不可欠なことであった!と。
蚊のタフネス生命力、そして会心の一撃だと思っていた私の手刀チョップが、蚊に対して致命的なダメージを与えられなかった非力さに、私は立ち上がれないほどのショックを受けたのです!
(´゚д゚`)『そ、そんな!?バカなー!!!』
蚊も生きるのに必死なんだ!遺伝子DNAに刻まれた子孫繁栄の目的達成に突き進む害虫に対抗心が芽生えた日!
(;´༎ຶД༎ຶ`)『ギャヒー!あ、ああ、足がぁー!グギギィ、よくもやってくれたわねー(怒)!』
(´゚д゚`)『えー!?足二本だけでバランス保って立ってるー!しかもメッチャ怒ってるー!』
(;´༎ຶД༎ຶ`)『ギャヒー!は、はは、羽がぁー!グギギィ、よくもやってくれたわねー(怒)!』
(´゚д゚`)『うわー!羽も取れたり折れ曲がってるの気付かれたー!さらに怒らせちまったー!』
もう一度書こう、写真の蚊(イエカ)は私の一撃を喰らって脚がもげ落ちて二本しか残っていないにもかかわらず。それでも懸命に立ち上がりなんとか飛ぼうと羽を動かす(かすかにプンッと音がする)、蚊のしぶとさに驚愕したのです。
蚊は、もげ落ちた足には目もくれず、プルプル震えながらも、倒れながらも前に突き進み始めたのです。たった一撃で仕留めたと思った私は考えを改めました。
おじいちゃんのように、ミンチ状態になるまで叩きのめさないと安心できないと。
YOUTUBE動画 瀕死の状態でも起き上がり飛ぼうともがく蚊
はっ!そういえば以前、私は足が3本の状態の蚊に刺されたことがあったのを思い出しました。認めます、私は完全に舐めていました。
ありえない、ありえないほどの生への執着心、まるで生きた屍のゾンビ、そうまでして血を吸いたいのか、いっそのこと吸わせてやろうか、蚊の生きるたくましさに日々の私の自堕落な生活が負け犬のように思えてきたのです。
ひとつの目的に向って邁進する蚊の姿に、私は対抗心を抱いてしまったのです。こんな小さな害虫に、私は一瞬ですが、負けたのです。生きる姿勢を叩き折られたのです。明日からの私は生まれ変わった人間でありたい、いえ、きっとそうなる、と誓いました。
(´゚д゚`)『ありがとう、そして、さようなら』
敬意を表し、ビール瓶を割るイメージで、猛牛の角をへし折るイメージで、固く固くギュギュッと握りしめた手刀で、、、
パーンッ!
蚊は逝きました。苦しむことなく一撃で安らかに眠ったのです。
蚊に情けは無用であるということを勉強できた出来事でした。中途半端に撃退しても、再び襲ってくる恐れがあること、ゾンビ級の生命力を備えていること、そして、どれだけ腕に自信があろうとも、蚊に対しては一切、手加減はしてはならないことが伝わったかと思います。
え?この後の蚊はどうなったのかですか?指でグリグリと小さく丸められたのか、それは、私しか知り得ない永遠の秘密にしたいと思います、(´゚д゚`)ギャヒー!!!